G-MENの選び方|16d・100dとGR・GL・GPの違い、購入・レンタルの判断基準
振動・衝撃レコーダー「G-MEN」には複数のモデルがあり、初めて導入を検討するときに迷いやすいのが「どのモデルを選ぶか」と「買うのか、借りるのか」の2点です。
この記事では、輸送中の振動・衝撃測定に使われるG-MENの16dシリーズ・100dシリーズについて、GR・GL・GPの違いと、購入・レンタルの判断基準を解説します。使い方(設定・計測)は別記事で解説しているため、ここでは「導入前の判断」に絞ります。
衝撃検知の考え方そのものから整理したい場合は、先に 衝撃検知とは何か|輸送品質を守るための考え方と判断軸 をご覧ください。
1. G-MENで何がわかるのか
G-MENは、3軸(X・Y・Z)の加速度センサと温湿度センサを搭載した超小型データレコーダーです。貨物や梱包箱に取り付けることで、「いつ・どの程度の衝撃や振動が発生したか」を、温度・湿度の変化とあわせて時系列で記録します。
従来、輸送中の破損は「いつ、何が起きたのか」を特定できないまま対策を打つしかありませんでした。G-MENは加速度が発生した日時と大きさを記録するため、その記録と出荷・積替え・納品といった輸送工程の記録を照合することで、衝撃が発生した可能性のある工程を絞り込めます。輸送業者との協議や社内の原因究明で、推測ではなく数値を出発点にできることが最大の価値です。
記録の仕組みについて、ひとつ押さえておきたい点があります。通常の記録モードでは、最小1msecの周期でサンプリングし、設定した記録間隔ごとの最大値を記録します。連続した波形がそのまま保存されるわけではないため、「いつ・どの程度の加速度が発生したか」の把握には適していますが、フーリエ変換などの周波数解析はできません。周波数解析を目的とする場合は、波形記録に対応した機器を選ぶ必要があります。
記録データは付属アプリケーション「G-Trace.net 3」でパソコンに取り込み、すぐにグラフ表示できます。CSV形式でも保存できるため、表計算ソフトでの集計・比較や、報告書作成にも活用できます。
なお、「どこで」発生したかという位置情報の記録は、GPSモジュールを搭載したGPシリーズのみの機能です(後述)。
2. モデルの選び方|まず「16dか、100dか」
本記事で取り上げる16dシリーズ・100dシリーズは、測定レンジと分解能が異なります。モデル選定で最初に決めるのはここです。
測定レンジと分解能の違い
| 16dシリーズ | 100dシリーズ | |
|---|---|---|
| 測定レンジ | 10G/16G(計測条件の設定時に選択) | 100G |
| 測定分解能 | 10G設定:0.1G/16G設定:0.2G | 1G |
| サンプリング周期 | 最小1msec | 最小1msec |
| 温湿度記録 | ○ | ○ |
- 16dシリーズ:レンジの上限を抑えるかわりに、分解能が細かい(10G設定で0.1G、16G設定で0.2G)
- 100dシリーズ:100Gまで測定できるかわりに、分解能は1G。
「比較的小さな加速度の変化を細かく捉えたい」なら16d、「16Gを超える可能性のある落下・衝突を広いレンジで捉えたい」なら100dが基本です。選定では、測定中に想定される最大加速度と、どの程度細かく記録したいかをあわせて考えます。製品の許容加速度が分かっている場合は、その値も選定の手がかりになります。
加速度の大きさの目安については G値とは?何Gで壊れる?基準と衝撃の目安 で解説しています。
次に「GR・GL・GP」を選ぶ
16d/100dそれぞれに、機能の異なる3タイプがあります。
| タイプ | 16dシリーズ | 100dシリーズ | 特徴 |
|---|---|---|---|
| GR | GR16d | GR100d | 基本機能を備えた標準モデル |
| GL | GL16d | GL100d | Bluetooth搭載。スマートフォンから一部操作が可能 |
| GP | GP16d(2026年夏発売予定) | GP100d | GPS搭載。位置情報と加速度データを確認可能 |
多くの輸送実態調査は、標準モデルのGRで完結します。実際、当サイトでもご相談の多くはGR16d・GR100dです。
そのうえで、次のような運用ではGL・GPが活きます。
- GL(Bluetooth):記録の開始・停止を本体に触れずに行いたい場合や、設定条件・記録状況を手元のスマートフォンから確認したい場合に有効です(見通し距離20m程度)。
- GP(GPS):「どの地点で衝撃が発生したか」まで絞り込みたい場合。輸送経路と加速度データを突き合わせられるため、長距離輸送で発生した可能性のある区間を絞り込む調査に向きます(地図表示は日本国内のみ)。ただしGPSアンテナが衛星電波を受信できる環境が必要で、梱包箱の内部やコンテナ内など電波が届かない場所では位置情報を取得できない場合があります。使用条件を事前にご確認ください。
共通仕様
- 電源:単3アルカリ乾電池2本で約45日間記録(サンプリング周期1msec時。計測条件・測定環境・電池性能による。GLのBluetooth連続動作時は約12日間、GPのGPS-ON時は約7日間)
- 記録容量:65,500データ(GR・GL)/GPはGPS-OFF時130,000データ・GPS-ON時43,000データ
- 本体:75.5×60.5×33mm・約135g(電池含む。GPシリーズはGPSアンテナを除く)。液晶パネル搭載で、本体でも記録データ・設定条件を確認できます
- データ取り込み:USB(Type-C)接続、G-Trace.net 3(Windows 10・11対応)
- 長期計測用に外部電源ユニット(単1アルカリ乾電池2本でサンプリング周期1msec時 約8か月動作が目安)、防滴ケースなどのオプションあり
3. 買うか、借りるか
G-MENは購入のほか、3週間のレンタルでも利用できます。どちらが合うかは、測定の目的で決まります。
レンタルが向くケース
- 特定の輸送経路で破損が出ており、原因調査を1度行いたい
- 導入を検討しており、まず自社の輸送で実際に測ってみたい
- 稟議の前に、データが取れることを確認したい
購入が向くケース
- 定期的な出荷で継続的に監視したい
- 複数の経路・便で並行して測定したい
- 輸送品質のデータを社内標準として蓄積していきたい
輸送中の振動・衝撃は経路・季節・便によって変動するため、1度の測定結果だけで輸送全体を判断することはできません。ただ、「まず1度測ってみる」ことで得られる情報は大きく、その結果を見てから台数や継続測定を判断するのが現実的な進め方です。この意味で、初めての導入はレンタルから入るのが合理的です。
4. 3週間レンタルの内容
輸送品質.COMのECサイトから、カートに入れるだけでレンタルを申し込めます。
| 対象モデル | GR16d・GR100 |
|---|---|
| 期間 | 3週間(21日間)※商品到着の翌日から起算 |
| 料金 | 10,000円(税込11,000円) |
| 延長 | 1週間単位で3,000円 ※3週間以内にご連絡ください |
| 付属品 | 設定用の単3アルカリ電池、貸出書 |
| 返却送料 | ご利用者負担 |
そして、レンタル期間内(3週間以内)にそのまま買い取る場合、レンタル料金(1万円)は無料になります(一度返却した場合は対象外)。「測ってみて、使えると分かったら購入」という流れなら、レンタル料の負担なく導入できます。
使用電池(単3アルカリ電池)は設定用として付属しておりますが、ご使用の際は、新品のエボルタ(市販品)を推奨いたします。(貴社にてご準備ください)
5. 測って終わりにしない|データを対策につなげる
G-MENの導入はゴールではなく、輸送品質改善の入口です。取得したデータは、次の判断につながります。
- 大きな加速度が発生した可能性のある工程を絞り込めたら → 作業記録や荷扱い方法を確認し、輸送業者と改善策を協議する
- 継続的な振動による影響が疑われたら → 防振パレット・防振台などの対策を検討する
- 製品や梱包に加わる加速度の傾向を把握できたら → 緩衝材・固定方法・梱包設計を見直す
実輸送での測定手順や注意点、測定結果の見方は、以下の記事で詳しく解説しています。
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よくある質問
Q1. GR16dとGR100dは、どちらを選べばいいですか?
測定中に想定される最大加速度と、どの程度細かく記録したいかの2点で選びます。比較的小さな加速度の変化を細かく捉えたい場合は分解能の高いGR16d(10G設定で0.1G、16G設定で0.2G)、16Gを超える可能性のある落下・衝突を広いレンジで捉えたい場合はGR100d(100G・分解能1G)が基本です。製品の許容加速度が分かっている場合は、その値も手がかりになります。判断がつかない場合はお問い合わせください。
Q2. 購入前に試すことはできますか?
3週間のレンタル(税込11,000円)をご利用いただけます。期間内にそのまま買い取る場合はレンタル料が無料になるため、レンタル料の負担なくお試しからの導入が可能です。
Q3. 記録したデータはどのように確認できますか?
付属アプリケーション「G-Trace.net 3」(Windows 10・11対応)でパソコンに取り込み、グラフ表示できます。CSV形式でも保存できるため、表計算ソフトでの集計・比較や、報告書作成にも活用できます。
Q4. 電池はどのくらい持ちますか?
単3アルカリ乾電池2本で約45日間の記録が可能です(サンプリング周期1msec時。計測条件・測定環境・電池性能により異なります)。数か月にわたる長期計測には、外部電源ユニット(単1アルカリ乾電池2本で約8か月動作が目安)も用意されています。
Q5. 使い方は難しくないですか?
設定から計測、データ確認までの手順は、別記事で手順ごとに解説しています。あわせてご覧ください。
まずは1度、自社の輸送で測ってみませんか
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期間内にご購入いただく場合、レンタル料金は無料です。
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