「G値ってなに?」加速度と重力加速度を理解してみよう。

ジェットコースターや戦闘機で「G(ジー)がかかる」というような表現をしているのを見たり聞いたりしたことはありませんか?

例えばジェットコースターだと、一瞬ですが、3Gから5GくらいのGがかかることがあります。飛行中の戦闘機では、同じ位のGが、長時間かかるため、初めて経験したパイロットは、気絶してしまうそうです。

当サイト(輸送品質.com)では、輸送中の衝撃による破損トラブルを解決するために、記録計(ロガー)や注意喚起シールなどの商品を各種とりあつかっています。その商品ページでも「G値」という言葉が出てきます。

例えば、主力商品のショックウォッチでは、反応G値別に選ぶことができます。そのため、はじめてショックウォッチの購入を検討する方の中には、「G値」って何?と不安に思う方もいらっしゃいます。

こんな表が「ショックウォッチ」のページにあります。↓

輸送品質.comでいう「G値」とは、ジェットコースターや戦闘機のそれと同じものなのでしょうか?

Gは、標準重力加速度と同じ値を1Gとした加速度の単位です。輸送品質.comの衝撃の度合を図る衝撃値も、同じものと考えていいでしょう。

しかし、そもそも「重力加速度」「加速度」がどういう意味なのか? 物理を勉強してこなかった人にとっては、頭の中が「?マーク」でいっぱいになってしまいます。

そこで一度、「加速度」「重力加速度」「G値」「衝撃値」について簡単に整理してみたいと思います。

加速度とは?

「加速度」とは、単位時間あたりの速度の変化率のことで、1秒間にどれだけ速度が増すかを表します。

加速度のSI単位は、m/s²

では、加速度の計算を簡単に図解にしてみます。加速度は、速度を時間で割ることで求めることができます。

加速度の計算の図解

例えば、1秒間に1m進んでいた車が、その1秒後(2秒経過した時点)にやはり1m進んでいた場合は、加速度は「0」ですが、その1秒後(2秒経過した時点)に2m進んでいた場合は、加速度は1m/s²となり、1秒間で1m分速度が増したと考えることができます。

重力加速度はどんな重さでも同じです 

加速度を理解したところで、重力加速度について説明したいと思います。

重力加速度とは、物体を落としたときに、その物体の速度が単位時間あたりどれだけ早くなるかを示した量です。単位には加速度と同じm/s²が用いられ、重力を意味する英語のgravityの頭文字をとってgで表されます。

ピサの斜塔の実験

昔、ガリレオ・ガリレイの有名な実験に「ピサの斜塔から大小2つの金属の玉をを落としてどちらが早く地面に落ちるか?」というものがあります。その実験により「物体の落下速度は、その物体の重さによらず一定である」ということが証明されました。

その実験の通り、重力加速度は、物体の重さによって落下する速度が早くなったり遅くなったりはしないという性質があります。同じ高さから落としたものは、鉄の塊でも羽でも、どのような重さでも、同じタイミングで地面に落ちます。(※ただし、実際に実験してみても空気抵抗などで結果が変わってしまうことがあります)

もう一つ、覚えていてほしい性質は、落下する速度はだんだん上がるということです。高い所から落としたものほど、加速度は増していきます。

重力加速度は計測する場所によってその結果が異なるため、標準重力加速度 (9.80665 m/s²) というものが定められています。

POINT
  • 重力加速度は物体の重さで変わることはありません。
  • 落下する速度は、たんだん上がる傾向があります。
  • 標準重力加速度は9.80665 m/s²

加速度の単位のG

標準重力加速度を基準とした、加速度の単位で「G」というものがあります。この場合は、重力加速度の単位のgとは違い、大文字でGと書かれます。少しややこしいですが、以下のように覚えてください。

 1.0 G = 9.80665 m/s²

1Gとはいったいどのようなものかというと、「私たちが地球からうけている重力と同じだけの加速度がかかっている」と考えていいでしょう。それに対して、0Gは加速度が全くかかっていない状態です。

POINT
  • 「G」とは加速度の単位です
  • 1.0 G = 9.80665 m/s²

私たちが体感する加速度のGはどれ位? 

加速度のGの例をあげてみます。エレベーターに乗ったときに上がるときに体が重く感じたり、一方で下がるときにフワッと軽くなる感覚を経験したことはありませんか?エレベーターでは、上下方向に最大で+0.2Gと-0.2Gの加速度を感じるといいます。それは、体重が100㎏の人が、自らの体重を120㎏に感じたり、80㎏に感じるのと同じくらいの値だと言えます。

0.2Gでも、結構体感できることがわかったかと思います。では、1Gの加速度とはどれくらいかというと、実は、一般の車ではなかなか出すことが難しい値です。

しかし、スポーツカーであれば体感することができます。スポーツカーが急発進して、時速100kmに達するまでに、なんと3秒しかかかりません。そのときに感じるGが1Gにほぼ近いものといえます。

スポーツカーの加速度

計算してみます。

100㎞/h(時速100㎞)とは、

秒速に直すと27.78m/s(秒)となります。

(計算式:100㎞/h×1,000÷3,600s=27.78m/s

次は、加速度を求めてみます。

加速度 =27.78m/s÷ 3秒 =9.26m/² 

単位をGにします。

9.26÷(9.81m/²)

=0.94(G)

※1.0 G = 9.81m/s²で計算しています

答えは0.94(G)。約1Gです。

1Gとは、地球の重力と同じ(自分の体重と同じ)力でシートに押し付けられる感覚です。

最初に「ジェットコースターや戦闘機は3Gや5Gの加速度がでる」とサラッと書きましたが、それがどれだけ凄い数字かわかってきました。100㎏の人なら300㎏や500㎏の力で押しつけられる感覚ということになります。ジェットコースターの場合は一瞬ですが、戦闘機は、その状況が続くのです。はじめて乗るパイロットが気絶するのも想像に難くないですね。

このように、まず速度と時間で加速度を求めてから、標準重力加速度で割れば加速度のGの計算をすることが可能です。

正面衝突の加速度の計算

では、スポーツカーの例に戻って、急に止まった場合はどうでしょうか?例えば時速100㎞/hで走っているスポーツカーが、2秒で急停止した場合、ドライバーにどれ位のGがかかるのでしょうか?

計算してみましょう。

まずは、時速を秒速に直します。(これは同じです)

(計算式:100㎞/h×1,000÷3,600s=27.78ⅿ/s)

加速度= 27.78ⅿ/s÷ 2秒 = 13.89ⅿ/²

13.89÷(9.81m/²)

=1.42(G)

速度の変位量が変わっていないのに、止まるまでの時間が3秒から2秒に縮まったことで、加速度のGはおよそ1.4倍くらいアップしましたね。

ここで分かることは、スピードの変位量が大きく、それが短時間であればあるほど加速度(G値)は大きくなるのです。簡単にいうと、急発進であればあるほど、G値が大きくなる。急停止であればあるほど、G値が大きくなる。ということです。当たり前ですよね。

では、正面衝突事故が起きたらどうでしょうか?先ほどと同じように時速100㎞/hのスポーツカーが、0.05秒で停止したら……

加速度=27.78m/s÷0.05秒=555.6m/s²

G値=555.6÷(9.81m/²)= 56.6(G) です。

つまり、ドライバーの体重が70㎏なら、なにもしない状態で重力(1G)がかかっていますから、この56.6倍の重力がかかるわけです。つまり

70×56.6G = 3,962の負荷を体に受けたことになります。3,962とは約4t。

4t!!

衝撃値のG 

輸送品質で扱われる衝撃値の単位は、加速度と同じ「G」となります。再び、衝撃検知ラベルのショックウォッチの表に戻ります。

ショックウォッチの表

一番中間の感度レベルでも 56.6Gの衝突事故と同じレベルだということがわかります。衝撃というものがどれだけ負担がかかっているかがわかります。

衝撃値(G値)について、質問を受けたことがあります。

それは、「10㎏の荷物と、100㎏の荷物を同じ高さから落下させたら、どちらのG値が大きくなるの?」というもの。

一見、重ければ重い程G値が上がりそうに思います。しかし、 重力加速度の性質がわかっている方だったら「物体の重さによって加速度が早くなったり遅くなったりはしない」と説明させていただいたとおり、衝撃値(G値)は荷物の重さによってはかわることはないと答えられると思います。

では、「10㎏の荷物と、100㎏の荷物が受けるダメージも同じか?」というと、それは同じではありません。重さ×衝撃値(G値)分のダメージを受けます。

そのため、対象物の重量が「重ければ重いほど」そのものにかかる負荷は大きくなると考えてください。例えば、70㎏の人の場合に4tの衝撃を受けたのと同じ衝突事故に、700㎏の機械が遭遇した場合は、40tの負担がかかっているということになるのです。

POINT
  • 受けるダメージ=重さ×衝撃値(G値)
  • 対象物の重量が「重ければ重いほど」そのものにかかる負荷は大きくなる

ショックウォッチ選びは難しくない 

さて、ここまで読んでいただけたらショックウォッチの選び方も簡単になってきたかと思います。重ければ重いほど負担が大きくなるので、重いものほど衝撃値(G値)の値の低いものを選んだほうがいいということです。実際に輸送品質.comでは、大型の精密機械を送る場合は、反応G値が25~40Gの敏感タイプを選ぶことが多いです。

ショックウォッチの選び方

また、送る荷物が壊れやすいものなのか、壊れにくいものなのか、梱包が衝撃を吸収しやすい素材かなど、他の条件も加えて、判断してください。

可能ならば、 「どれだけの衝撃を加えたら輸送したい製品が破損してしまうか」という検証実験をおこなうことをおススメします。その際にはGーMENやウォッチロガーなどの記録計(ロガー)を使って検証することができます。

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