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「物流」におけるコストと品質 [part5] 業務内容の定義

船井総研ロジ株式会社 コンサルティング事業部 部長 渡辺庸介氏

当コラムでは物流専門のコンサルティングサービスを提供している船井総研ロジ株式会社の視点で「物流品質」を向上する効果の高い取り組みを紹介させていただきます。第4回目の『品質管理パトロール』では物流現場での効果的な注意喚起手法として、管理者によるパトロールについてお伝え致しました。第5回目は品質維持の要となる「業務内容の定義」についてお伝えします。

物流品質を維持する弊害とは

多くの人の手と異なる業務を経て荷物が届けられる物流工程の概念図

物流業務の視える化の重要性は今までにもお伝えしてきました。物流には輸送、保管、作業といろいろな場面がありますが、ただ見ているだけでは漠然としてなかなか分かり難いものです。荷物は多くの人の手と異なる業務内容を経て初めて得意先に届けられます。

この『多くの人の手(それぞれの業務の作業者担当者)』と『異なる業務(保管・作業・配送)』が物流の品質を維持する弊害になっていると考えます。

『多くの人の手』を介するリスク

  • かかわる人が多数いると作業に対する理解に差が生じる。
  • かかわる人が多数いると作業の熟練度に差が生じる。
  • かかわる人が多数いると品質に対する意識に差が生じる。
  • かかわる人が多数いると作業責任が曖昧になる。
  • かかわる人が多数いると統一した作業が崩れやすくなる。

『異なる業務』を経るリスク

  • 異なる業務に受け渡されると前後の作業に対する理解に差が生じる。
  • 異なる業務に受け渡されると品質に対する考え方と意識に差が生じる。
  • 異なる業務に受け渡されると作業責任が曖昧になる。

筆者は作業手法において「複数工程、複数担当作業」と「一人完結作業」を比較すると「一人完結作業」の方が作業品質は高いという認識を持っています。その理由は作業が標準化できて初めて一人完結作業が導入できるという側面もありますが、一番は責任の明確化にあると考えます。同様のことを『多くの人の手』と『異なる業務』に当てはめて考えると品質の向上に役立つのではないでしょうか。

業務内容の定義に取り組む

その中ではじめに取り組んでいただきたいのが、『業務内容の定義』です。我々は業務上、現場の方々に業務内容を確認することがよくあります。その中では、業務内容が明確に定義されていない現場は散見されます。例えばトラック積載時のストレッチフィルムの利用です。ひとつの現場でもストレッチフィルムを利用する判断がドライバーの時もあれば、出荷作業員の場合もありました。利用する場合としない場合も感覚でした。そのような状況が現場の一面であります。

『業務内容の定義』を決めると可能になること

  • ❶ 作業員への説明が統一できる=管理者は標準作業を指導できるようになる
  • ❷ 曖昧なことが少なくなるので、作業員が業務を判断しやすくなる
  • ❸ 業務の責任区分が明確になる
  • ❹ 品質対策の対象が明確になる

まとめ

当たり前ですが業務設計をする人や契約内容を理解している人と、指示を受けて現場で作業をする担当者は異なります。同じ深さを理解して業務に臨むことも現実的ではありません。そのような中でまず作業者に伝えることは任せる業務内容と業務範囲と責任です。『業務内容を定義』することがその始まりといえます。当たり前のことを繰り返しやり続けることが品質を維持します。品質悪化にお悩みの皆様の明日からの活動に少しでも参考になりますと幸いです。

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著者プロフィール

著者:渡辺 庸介(船井総研ロジ株式会社)

船井総研ロジ株式会社 ライン統括本部 コンサルティング事業部 部長。500社を超える顧客とのお取引で培ってきたロジスティクス・コンサルティングの専門性と実行力をもとに、顧客の物流・ロジスティクスのサポートを行う。物流コンサルタント・情報システム事業・3PL・専門商社の4つの機能を持ち、物流品質改善・コストダウン・現場改善など幅広いコンサルティングに従事。

監修者 輸送品質.COM

森松産業株式会社

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