衝撃検知ラベルの種類と選び方|用途・感度・取付場所で選ぶポイントを解説

「衝撃検知ラベルを導入したいが、種類が多くてどれを選べばいいか分からない」
そうした声を現場からよく聞きます。
衝撃検知ラベルには、外装箱に貼るタイプ、製品に直接取り付けるタイプ、箱の内部に組み込むタイプなど、取付場所や用途によって複数の種類があります。さらに、反応する衝撃の大きさ(G値)や、使い切りか繰り返し使えるかといった違いもあり、「とりあえず一番有名なものを」と選ぶと、現場の目的に合わないケースも起こりえます。
本記事では、衝撃検知ラベル・インジケーターの主な種類と、それぞれの特徴、そして選定の考え方を整理します。
この記事で分かること
- 衝撃検知ラベルの種類と製品ごとの違い
- 選定で重要な4つの軸
- 用途・シーン別のおすすめの選び方
- よくある選定ミスと注意点
1. 衝撃検知ラベルとは
衝撃検知ラベル(衝撃検知インジケーター)とは、輸送中に一定以上の衝撃が加わったことを視覚的に示すツールです。
衝撃が発生するとラベルや本体の表示が変化するため、荷受け時や検品時に「この荷物に問題のある衝撃が加わったかどうか」を一目で確認できます。
主な用途は大きく2つです。
注意喚起・抑止
外装箱にラベルが貼られていることで、荷扱い作業者への「丁寧に扱うべき荷物」というサインになります。意識の変化が荷扱いの改善につながり、事故の未然防止に役立ちます。
事実確認・原因特定
破損や不具合が発生した際に、「輸送中に問題のある衝撃があったかどうか」を事実として確認できます。感覚や推測ではなく、事実をもとにした原因分析が可能になります。
衝撃検知の考え方や、なぜ梱包だけでは不十分なのかについては、衝撃検知とは何か|輸送品質を守るための考え方と判断軸をあわせてご覧ください。
2. 衝撃検知ラベル・インジケーターの種類と特徴
当サイトで取り扱っている主な製品は6種類です。それぞれ取付場所・感度・用途が異なります。
ショックウォッチ(ラベルタイプ)
外装箱の外側に貼り付けるスタンダードなラベルタイプです。衝撃検知ラベルの中でもっとも広く使われており、「まず導入してみたい」という場合の基本選択肢になります。輸送品質.COMはSpotSee社認定の正規代理店として全ラインナップを取り扱っています。
一定以上の衝撃が加わると、ラベル内部の液体が反応して赤く変色し、衝撃があったことを視覚的に示します。
POINT
- 反応G値:25G(黄)・37G(紫)・50G(赤)・75G(橙)・100G(緑)の5種類
- 繰り返し利用:不可(使い切り)
- 取付場所:外装箱の外側(右上・2枚推奨)
色でG値を区別できるため、複数の感度が必要な現場でも管理しやすい設計です。
実際の効果や使い方については、以下の記事もあわせてご覧ください。
ショックウォッチ2(SW2)
板バネ構造を採用した高感度タイプで、上下方向の衝撃を検知します。反応G値が5G〜25Gと低く、精密機器や医療機器など、わずかな衝撃でもダメージを受けるおそれがある製品に向いています。
ラベルタイプやミニクリップタイプと異なり、開始ストッパー機構を備えているため、誤作動を防ぎながら安全に取り扱うことが可能です。
POINT
- 反応G値:5G・10G・15G・25Gの4種類
- 繰り返し利用:不可(使い切り)
- 取付場所:外装箱の外側
具体的な使い方については、どんな輸送シーンにおすすめ?ショックウォッチ2の使い方もあわせてご覧ください。
ショックウォッチ ミニクリップタイプ
製品や機器に直接取り付けるクリップ型の衝撃検知器です。外装箱ではなく「製品本体」に装着できるため、レンタル機材・医療機器・測定器など、返却・受け渡しの際に「機器そのものへの衝撃履歴」を確認したいケースに適しています。梱包を開けなくても確認できるため、受け取り側での検品にも活用されています。
POINT
- 反応G値:25G・37G・50G・75G・100Gの5種類
- 繰り返し利用:不可(使い切り)
- 取付場所:製品・機器本体に直接
ショックウォッチ チューブタイプ
最小サイズのインジケーターで、スペースの限られた製品内部への組込み・取付けが可能なタイプです。ユーザーの製品取扱い状況の確認や、故障クレームの原因分析にも活用されています。外観からは判別されにくい構造のため、荷扱い作業者に気づかれることなく衝撃を記録したい用途にも向いています。
POINT
- 反応G値:25G・37G・50G・75G・100Gの5種類
- 繰り返し利用:不可(使い切り)
- 取付場所:製品内部・梱包材の内側
MAG2000
繰り返し使用できる衝撃検知インジケーターです。使い切りのラベルタイプとは異なり、専用リングキーでリセットして再利用できます。通い箱や特定ルートの定期輸送など、同じ梱包・同じルートで繰り返し使用する運用に向いています。
POINT
- 反応G値:3G・5G・6G・10G・15G・20G
- 繰り返し利用:可(専用リングキーでリセット)
- 取付場所:外装箱・通い箱
ショックタイマー
衝撃が発生した「時刻」を記録できる衝撃検知器です。通常の衝撃検知ラベルは衝撃の有無しか分かりませんが、ショックタイマーはいつ衝撃が起きたかを記録するため、輸送工程のどのタイミングで問題が発生したかを特定しやすくなります。クレーム対応や責任の所在の確認、輸送工程の改善に役立ちます。
POINT
- 反応G値:25G・50G
- 繰り返し利用:不可(使い切り)
- 取付場所:外装箱
3. 選定で重要な4つの軸
軸① 反応G値(感度)
反応G値は「何G以上の衝撃に反応するか」を示す数値です。数値が小さいほど高感度で、わずかな衝撃にも反応します。
選定のポイントは、製品の耐衝撃仕様や壊れやすさに合わせることです。感度が高すぎると通常の輸送でも頻繁に反応してしまい、逆に低すぎると問題のある衝撃を検知できません。製品の耐衝撃仕様が明確な場合はその数値を基準に、そうでない場合はまずバラエティセット(複数G値が入ったセット)で実際の輸送条件を確認してから本格導入のG値を決めることをおすすめします。
軸② 取付場所
どこに取り付けるかによって、適した製品が異なります。
- 外装箱の外側:ショックウォッチ(ラベル)・SW2・ショックタイマー・MAG2000
- 製品・機器本体:ミニクリップタイプ
- 製品内部・梱包材の内側:チューブタイプ
外装箱に貼るタイプは注意喚起の効果も兼ねられます。製品や機器に直接つけるタイプは、返却・受け渡しのある運用に適しています。
軸③ 使い切りか、繰り返し使用か
1回の出荷ごとに取り換える運用であれば使い切りタイプ、通い箱など繰り返し使用する運用ではMAG2000のような再利用可能なタイプが経済的です。使用頻度が高い場合は、MAG2000の導入が合理的になるケースがあります。
軸④ 衝撃の「有無」だけでなく「時刻」まで必要か
通常の衝撃検知ラベルは衝撃の有無の記録にとどまります。どの輸送工程で衝撃が発生したかを特定したい場合や、クレーム対応の証拠として活用したい場合には、衝撃発生時刻を記録できるショックタイマーの検討が必要です。
4. 用途・シーン別の選定フロー
迷った場合は、まず「何をしたいか」から候補を絞ってください。
- 注意喚起・荷扱い改善が目的 → ショックウォッチ(ラベル)
- 精密機器・医療機器など高感度が必要 → ショックウォッチ2(SW2)
- レンタル品・機器本体への装着 → ミニクリップタイプ
- スペースの限られた製品内部への組込み → チューブタイプ
- 通い箱・繰り返し使用 → MAG2000
- いつ衝撃が起きたか時刻まで知りたい → ショックタイマー
次にG値を確認します。製品の耐衝撃仕様が不明な場合は、バラエティセットで実際の輸送条件を確認してから本格導入のG値を決めることをおすすめします。
5. よくある選定ミスと注意点
G値を感覚で選ぶ
「念のため高感度にしておこう」と低G値を選ぶと、通常の輸送振動でも反応してしまい、本当の問題を見落とす原因になります。製品仕様や実際の輸送環境に合わせたG値の選定が重要です。
注意喚起だけで終わる
ラベルが反応しても「剥がしてそのまま」では、データとして活用できません。反応した場合の確認フローや記録の仕組みをあわせて設計することで、衝撃検知の効果を最大化できます。
全工程を同じ製品でカバーしようとする
出荷時の注意喚起には外装ラベルが適していますが、工程ごとに求める情報が異なる場合は、複数の製品を組み合わせる運用も有効です。
まとめ
衝撃検知ラベル・インジケーターには、用途・感度・取付場所によって複数の種類があります。選定の基本は「何のために使うか」を起点に、G値・取付場所・使い切りか再利用かの3点を確認することです。
「どれを選べばいいか迷っている」という場合は、バラエティセットでの試用や、専門スタッフへの相談もご活用ください。
この記事に関連するお役立ち資料
どの製品が最適か、専門スタッフがご提案します。
監修者 輸送品質.COM
森松産業株式会社
「輸送品質.COM」は、物流の中でも特に輸送工程における品質管理とリスクの把握・改善に焦点を当てた、BtoB現場向けの専門情報サイトです。精密機器輸送をはじめとした現場で問題となりやすい、衝撃・傾き・温湿度といった目に見えない輸送リスクについて、測定方法や考え方、活用のポイントを分かりやすく解説しています。
- 主な監修テーマ
- 輸送工程における品質管理・輸送リスク対策
- 精密機器輸送における衝撃・傾き・温湿度の考え方
- 衝撃検知ラベル・タイマー・ロガーの活用と選定
- 輸送トラブルの原因整理と再発防止の視点