ショックウォッチの感度(G値)はどう選ぶ?輸送環境別の選定ポイント

「ショックウォッチを導入したいが、どのG値を選べばいいか分からない」
そうした声を現場からよく聞きます。
ショックウォッチはG値(感度)の選定が合っていないと、本来の目的を果たせません。感度が低すぎると問題のある衝撃を検知できず、高すぎると通常の輸送でも頻繁に反応してしまいます。
本記事では、ショックウォッチのG値の意味と製品別のラインナップ、選定の基本的な考え方を整理します。
この記事で分かること
- ショックウォッチのG値とは何か
- G値を間違えるとどうなるか
- 製品タイプ別のG値ラインナップと違い
- G値選定の基本的な考え方
1. ショックウォッチのG値とは
G値とは加速度の単位で、ショックウォッチにおいては「何G以上の衝撃が加わったときに反応するか」を示す閾値です。
数値が小さいほど高感度で、わずかな衝撃にも反応します。数値が大きいほど低感度で、強い衝撃にのみ反応します。
たとえば25Gのラベルは25G以上の衝撃で反応し、5GのSW2は5G以上の衝撃で反応します。同じ「ショックウォッチ」でも、選ぶG値によって検知できる衝撃の大きさが大きく異なります。
G値の概念についてより詳しく知りたい方は、衝撃検知とは何か|輸送品質を守るための考え方と判断軸もあわせてご覧ください。
2. G値を間違えるとどうなるか
G値の選定を誤ると、ショックウォッチが正しく機能しません。具体的には2つのパターンがあります。
G値が低すぎる場合(高感度すぎる)
通常の輸送振動や荷扱いでも頻繁に反応してしまいます。「また反応している」と現場が慣れてしまい、本当に問題のある衝撃が発生したときにも見落とされるリスクがあります。衝撃検知の仕組みそのものへの信頼が失われる原因にもなります。
G値が高すぎる場合(低感度すぎる)
問題のある衝撃が発生しても反応しないまま見過ごされます。「反応がなかったから問題ない」という誤った判断につながり、製品の破損原因を特定できなくなるケースがあります。
どちらも「ショックウォッチを使っているのに効果が出ない」という状況を生みます。G値の選定は、導入効果を左右する重要な判断です。
3. 製品タイプ別のG値ラインナップと違い
ショックウォッチには複数の製品タイプがあり、対応するG値のラインナップが異なります。
ショックウォッチ(ラベルタイプ)
ショックウォッチ(ラベルタイプ)は外装箱の外側に貼り付けるスタンダードなタイプです。
- 対応G値:25G / 37G / 50G / 75G / 100Gの5種類
- 取付場所:外装箱の外側
- 色でG値を区別できるため、複数の感度を使い分ける現場でも管理しやすい設計です
ショックウォッチ2(SW2)
ショックウォッチ2(SW2)は板バネ構造を採用した高感度タイプで、上下方向の衝撃を検知します。
- 対応G値:5G / 10G / 15G / 25Gの4種類
- 取付場所:外装箱の外側
- 開始ストッパー機構を備えており、取り付け前・輸送開始前の誤作動を防ぐことができます
2つの製品の使い分け
ラベルタイプは25G〜100Gに対応しており、一般的な機械・電子機器など、比較的強い衝撃に耐えられる製品の輸送管理に向いています。
SW2は5G〜25Gとより低いG値に対応しており、精密機器・医療機器・光学機器など、わずかな衝撃でもダメージを受けるおそれがある製品に向いています。また、ストッパー機構があることで、取り扱い中の不意な反応を防ぎながら安全に運用できる点もSW2の特徴です。
どちらのタイプを選ぶかは、まず製品の耐衝撃仕様を確認したうえで判断することが基本になります。
ShockWatch®
感度レベルで選ぶ
| 【感度】 | 【シリーズ名・型番】 | 【反応G値】 | 【落下目安】 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| ラベルタイプ | ミニクリップ | チューブタイプ | ||||
|
敏感
鈍感 |
L-65 | 65MC / 65MCD | T-65 | 25G〜40G | 15cm〜30cm | |
| L-55 | 55MC / 55MCD | T-55 | 37G〜55G | 20cm〜40cm | ||
| 中間 | L-47 | 47MC / 47MCD | T-47 | 50G〜80G | 30cm〜50cm | |
| L-35 | 35MC / 35MCD | T-35 | 75G〜100G | 40cm〜90cm | ||
| L-30 | 30MC / 30MCD | T-30 | 100G〜140G | 90cm以上 | ||
4. G値選定の基本的な考え方
G値の選定は、製品の耐衝撃仕様を起点にするのが基本です。耐衝撃仕様が不明な場合や、実際の輸送環境でどの程度の衝撃が発生しているか分からない場合は、複数のG値が入ったバラエティセットを使って実輸送を確認する方法があります。実際にどのG値のラベルが反応するかを確認してから、本格導入のG値を決めることで、選定ミスを防ぎやすくなります。
「念のため低G値(高感度)にしておこう」という選び方は、前述のとおり現場での誤作動を増やすリスクがあります。製品仕様や輸送環境の実態に合わせた選定が重要です。
| サイズ(体積) | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 0〜0.03㎥ | 0.03〜0.14㎥ | 0.14〜0.42㎥ | 0.42〜1.42㎥ | 1.42㎥以上 | ||
| 重さ | 0〜約4.5kg | L-30(100G) | L-30(100G) | L-35(75G) | L-35(75G) | L-35(75G) |
| 約4.5〜約11kg | L-30(100G) | L-35(75G) | L-35(75G) | L-47(50G) | L-47(50G) | |
| 約11〜約22.5kg | L-35(75G) | L-35(75G) | L-47(50G) | L-47(50G) | L-55(37G) | |
| 約22.5〜約45kg | L-35(75G) | L-47(50G) | L-47(50G) | L-55(37G) | L-55(37G) | |
| 約45〜約113.5kg | L-47(50G) | L-47(50G) | L-55(37G) | L-55(37G) | L-65(25G) | |
| 約113.5〜約453.5kg | L-47(50G) | L-47(50G) | L-55(37G) | L-65(25G) | L-65(25G) | |
| 約453.5kg以上 | - | L-55(37G) | L-65(25G) | L-65(25G) | L-65(25G) | |
ショックウォッチの実際の反応については、以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
ショックウォッチのG値は、製品の耐衝撃仕様と輸送環境の実態に合わせて選定することが基本です。感度が合っていないと、検知漏れや誤作動の原因になります。
製品タイプごとの対応G値は以下のとおりです。
- ラベルタイプ:25G / 37G / 50G / 75G / 100G
- SW2(高感度・ストッパー付き):5G / 10G / 15G / 25G
耐衝撃仕様が不明な場合はバラエティセットでの確認、または専門スタッフへの相談をご活用ください。
書類対応や導入後のサポートについては、正規販売代理店としてのサポート体制もあわせてご覧ください。
監修者 輸送品質.COM
森松産業株式会社
「輸送品質.COM」は、物流の中でも特に輸送工程における品質管理とリスクの把握・改善に焦点を当てた、BtoB現場向けの専門情報サイトです。精密機器輸送をはじめとした現場で問題となりやすい、衝撃・傾き・温湿度といった目に見えない輸送リスクについて、測定方法や考え方、活用のポイントを分かりやすく解説しています。
- 主な監修テーマ
- 輸送工程における品質管理・輸送リスク対策
- 精密機器輸送における衝撃・傾き・温湿度の考え方
- 衝撃検知ラベル・タイマー・ロガーの活用と選定
- 輸送トラブルの原因整理と再発防止の視点