トラック用緩衝材(スペーサー)とは?種類・厚さ・サイズの選び方とベニヤ板との違い

トラック用緩衝材(スペーサー)とは、トラックの荷台で荷物と荷物の間や、荷物と荷台の壁の間に入れる板状の緩衝材です。走行中の揺れで荷物同士がこすれたりぶつかったりするのを防ぎ、隙間を埋めて荷のずれを抑えます。以前はベニヤ板を当て板に使うことが多くありましたが、今は軽くて割れにくい発泡ポリエチレン製の板が広く使われています。
この記事では、トラック用緩衝材の役割とベニヤ板との違い、主な種類、選ぶときのポイント、使うときの注意を順に解説します。製品を箱の中で守る梱包用の緩衝材については、発泡ウレタン緩衝材とは?他の緩衝材との違いと厚みの決め方で解説しています。
トラック用緩衝材(スペーサー)とは
トラック用緩衝材は、スペーサー、当て板とも呼ばれます。パレットに積んだ荷物や大きな箱を荷台に並べるとき、その間に立てたり挟んだりして使います。
何のために入れるのか
- 隙間を埋める:荷物と荷物、荷物と荷台の壁の間に隙間があると、ブレーキやカーブのたびに荷物が動きます。板で隙間を埋めると、荷物の動きが小さくなります。
- こすれ傷やへこみを防ぐ:荷物同士が直接当たらないので、箱のこすれ傷や角のへこみを防げます。
- 荷台の振動や衝撃をやわらげる:発泡材の板が間に入ることで、荷物同士がぶつかったときの当たりがやわらかくなります。
トラックの荷台でどんな揺れが起きているかは、トラック輸送の振動はなぜ起きる?主な原因と精密機器を守る対策で詳しく解説しています。
ベニヤ板・段ボールとの違い
当て板にはベニヤ板や段ボールも使われてきました。発泡ポリエチレン製のトラック用緩衝材には、次のような違いがあります。
- 割れにくい:しなやかな素材なので、曲げても割れにくく、繰り返し使えます。
- 軽い:大きな板でも持ち運びや積み込みの負担が小さくなります。
- 当たりがやわらかい:素材そのものが衝撃を吸収するので、硬い板より荷物にやさしく当たります。
輸送品質.COMで扱っているEPスペーサーやEPネスティングスペーサーも、トラック輸送で当て板として使われてきたベニヤ板の代わりとして使われている製品です。
トラック用緩衝材の種類
トラック用緩衝材は、素材と作りによって大きく5つに分けられます。
| 種類 | 特長 | 向いている場面 | 輸送品質.COMの商品 |
|---|---|---|---|
| 発泡ポリエチレンの板 | しなやかで割れにくい。帯電防止 | ベニヤ板の代わりに、まず1枚選ぶなら | EPスペーサー |
| 肉抜きで軽くした板 | 同じ厚さでも軽い。削れによるゴミが少ない。帯電防止 | 枚数を多く使う、持ち運びを軽くしたい | ロジボード |
| 表皮で包んだ板 | 削れによるゴミが出ない。紫外線に強い | 食品・医療機器・クリーンルーム向け、屋外に置く | タックボード |
| 重ねてしまえる板 | 向きをそろえて重ねると、保管や返送の場所を取らない | 使った板を回収して繰り返し使う | EPネスティングスペーサー |
| 曲げられる板 | 関節付きで、壁や柱、荷物の形に沿う | 壁や柱の保護、丸い荷物に巻く | EPロールクッション |
発泡ポリエチレンの板(EPスペーサー)

高い衝撃吸収性を持つ、しなやかな発泡ポリエチレンの板です。曲げても割れにくく、帯電防止の素材を使っています。厚さ30〜60mm、大きさは1200×900mmや2100×900mmなどがあり、荷物の大きさや荷台の長さに合わせて選べます。
肉抜きで軽くした板(ロジボード)

国産のポリエチレン発泡ビーズを40倍に発泡させて作った板です。本体の28か所に「肉抜き」を入れて、厚さを変えずに軽くしています。曲げ・たわみに強く、削れによるゴミが少ないのも特長です。素材に帯電防止処理をしているので、ほこりが荷物に付きにくくなっています。

厚さ80mmの「ロジボードS」は、側面にスリット状の指穴があります。フォークリフトで荷を積むとき、手で板を支えていても、指を荷物と板の間に挟みにくい作りです。
表皮で包んだ板(タックボード)

カネカ製の発泡ポリエチレン「エペラン」を芯材にして、国産のターポリン(樹脂でコーティングした丈夫な布)で包んだ板です。
- 削れによるゴミが出ない:発泡材がむき出しの板は、こすれたり欠けたりすると削れた粒が出て、荷物に付いたり混ざったりするおそれがあります。タックボードは芯材を包んでいるので、削れによるゴミが出ません。もともとは飲料の缶を作るメーカーの要望から生まれた製品です。
- 紫外線に強い:発泡材は屋外で紫外線を浴び続けると劣化が進みます。メーカーによると、屋外で使う発泡材の寿命は通常1年〜1年半のところ、タックボードは耐用年数5〜10年(メーカーの基準)まで延びています。
クリーンルームや医療機器、生鮮食品など、異物が混ざることが許されない荷物を運ぶ場合に向いています。
重ねてしまえる板(EPネスティングスペーサー)

EPスペーサーと同じしなやかな発泡ポリエチレンの板で、表面に凹凸があります。向きを合わせて積み重ねると互いにはまり込む(ネスティング)ので、返送や保管のときに場所を取りません。重ねた板がずれないので、持ち運びも楽です。
曲げられる板(EPロールクッション)
150mmごとに関節が付いた発泡ポリエチレンの板で、壁や柱に沿わせて設置できます。運送や引っ越しのときの壁・柱の保護や、荷物に巻いて使うこともできます。
トラック用緩衝材を選ぶ5つのポイント
1. 厚さ
厚いほど荷物と荷物の大きな隙間を埋められ、当たりもやわらかくなります。その分、板は重くなり、荷台の場所も取ります。荷物の間の隙間の大きさと、荷台に置ける枚数を見て選びます。輸送品質.COMで扱っている板の厚さは20〜80mmです。
2. 大きさ
1200×900mmや1200×1000mmがよく使われる大きさです。背の高い荷物や長い荷物には、1800×900mm(サブロク)や2100×900mmなどの大きな板を選びます。荷物の面をしっかり覆える大きさにすると、板がずれにくくなります。
3. 削れによるゴミが許されるか
食品、医療機器、クリーンルームで扱う製品など、異物の付着や混入が問題になる荷物を運ぶ場合は、表皮で包んだタックボードが向いています。むき出しの発泡材の板でも、ロジボードのように削れによるゴミが少ない作りのものがあります。
4. 屋外に置くか、何年使うか
倉庫の外やトラックの荷台に置いたままにする場合は、紫外線による劣化を考えます。長く使うなら、紫外線に強いタックボードが向いています。
5. 保管・返送の場所と、作業の安全
使った板を回収して繰り返し使う場合は、重ねてしまえるEPネスティングスペーサーが便利です。フォークリフトで荷を積むときに手で板を支える作業が多い現場では、指穴付きのロジボードSが向いています。
POINT
- まずは「厚さ」と「大きさ」を荷物と荷台に合わせて決める
- 異物を嫌う荷物や屋外での使用には、表皮で包んだ板を選ぶ
- 繰り返し使うなら、保管・返送のしやすさも見る
使うときの注意
緩衝材だけでは荷物は止まらない
トラック用緩衝材は、荷物同士のこすれやぶつかりを防ぎ、隙間を埋めて動きを小さくするものです。荷物そのものを固定するものではありません。走行中に荷物が倒れたり滑ったりしないよう、ラッシングベルトなどでの固定と組み合わせて使います。荷崩れを防ぐ道具は荷崩れ防止ベルトの一覧からご覧いただけます。
削れ・割れ・汚れを点検する
繰り返し使う板は、使うたびに削れや割れ、汚れがないかを確かめます。削れた板は荷物に粒が付く原因になり、割れた板は隙間を十分に埋められません。傷んだ板は早めに取り替えます。
まとめ:荷物と荷台の条件に合った1枚を選ぶ
トラック用緩衝材は、荷台で荷物同士や荷物と壁の間に入れて、こすれやぶつかりを防ぎ、隙間を埋める板です。今はベニヤ板に代わって、軽くて割れにくい発泡ポリエチレン製の板が使われています。
- まず1枚選ぶなら、しなやかで割れにくいEPスペーサー
- 軽さを重視するなら、肉抜きで軽くしたロジボード
- 異物を嫌う荷物や屋外で使うなら、表皮で包んだタックボード
- 回収して繰り返し使うなら、重ねてしまえるEPネスティングスペーサー
厚さや大きさの選び方に迷う場合は、運ぶ荷物と荷台の条件をお知らせいただければ、合う板をご提案します。
よくある質問
- Q1. トラック用緩衝材はベニヤ板の代わりに使えますか?
-
使えます。EPスペーサーやEPネスティングスペーサーは、トラック輸送で当て板として使われてきたベニヤ板の代わりとして使われている発泡ポリエチレン製の板です。しなやかで曲げても割れにくく、繰り返し使えます。
- Q2. トラック用緩衝材の厚さは何mmを選べばよいですか?
-
厚いほど荷物と荷物の大きな隙間を埋められ、当たりもやわらかくなりますが、板が重くなり荷台の場所も取ります。荷物の間の隙間の大きさと、荷台に置ける枚数を見て選びます。輸送品質.COMで扱っている板の厚さは20〜80mmで、迷う場合はご相談ください。
- Q3. トラック用緩衝材を屋外に置いても大丈夫ですか?
-
発泡材がむき出しの板は、屋外で紫外線を浴び続けると劣化が進みます。タックボードは芯材をターポリンで包んで紫外線を防いでおり、メーカーの基準で耐用年数は5〜10年です。屋外に置く場合や長く使う場合はタックボードが向いています。
- Q4. トラック用緩衝材から削れたゴミは出ませんか?
-
発泡材がむき出しの板は、こすれたり欠けたりすると削れた粒が出ることがあります。ロジボードは削れによるゴミが少ない作りで、タックボードは芯材をターポリンで包んでいるので削れによるゴミが出ません。食品や医療機器など異物を嫌う荷物にはタックボードが向いています。
監修者 輸送品質.COM
森松産業株式会社
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