生産性の低下は腰痛が原因!? 作業者を守るための腰痛対策とは ?

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生産性の低下は腰痛が原因!? 作業者を守るための腰痛対策とは ?
従業員の腰痛対策
公開日:2022年3月31日

重い荷物を運ばなければならない物流・運送業に従事する方は、腰の悩みを抱えている人が多いはず。

厚生労働省のここ5年間の業務上疾病発生状況等調査によると、業種に関係なく疾病別では「腰痛」が最も多く、約6割を占めています。運輸交通業においては、62~73%という高い割合で推移しています。

ただ、このデータは休業4日以上の業務上疾病のみなので、市販の痛み止めを飲んだり、コルセットを買ったり、腰の痛みを抱えながら仕事を続けている方も多くいらっしゃるのではと考えられます。

目次

物流現場での腰痛を予防するには…

やや古いものですが、運輸交通業において、どのようなときに腰痛が発生したかというデータが発表されていました。

対象・動作別腰痛発生割合(平成16年)※公表は平成20年

どのようなときに腰痛が発生したか

中央労働災害防止協会「運送業務で働く人のための腰痛予防のポイントとエクササイズ」より抜粋

これによると荷物を下から上に持ち上げる・引き上げるときがもっとも多く、半数近くを占めています。次いで、荷物を「前後左右に移動させる」が18%、荷物を「上から下に降ろす」動作が14.1%という結果でした。

かくいう筆者も物流倉庫で働いた経験があり、重たい段ボールを持ち上げて移動させたときに筋を違えたような感覚が走ったことがあります。もともと腰痛持ちではあったので、気にせず作業を続けていたら、帰宅してから動くのもつらい状態になってしまいました。

多くの物流現場でもそうだと思いますが、筆者の現場ではとにかくスピードが求められ、トラックが到着すると荷下ろししなければならない荷物がどんどん運び込まれてきます。加えて人数も少ない……となると、多少身体に不調があっても言い出しづらいという雰囲気を感じる従業員も少なくありません。腰痛に限らず労働災害を防止するには、管理者による日ごろからの声掛けといったコミュニケーションが大切になってきます。

現場での腰痛予防対策

作業姿勢・動作に気を付ける

作業中の姿勢や動作を意識することで、腰への負担が大きく変わります。また、作業に入る前にストレッチやラジオ体操など、かんたんなエクササイズを取り入れることもおすすめです。

意識したい作業姿勢・動作の例

・重量物を扱うときには、できるだけ荷物に身体を近づける
・前屈みや中腰になるような作業は、なるべく膝をついて行う。
・荷物を下から持ち上げる・引き上げる動作は、膝を曲げ、腰を下ろしてから荷物を手に取り、膝の屈伸を使って立ち上がるようにする。
・荷物を移動させるドーリーやカゴ車をパレット等に近づけ、移動距離をできるだけ短くする。
・荷物を移動させる際に、身体をひねるなどの不自然な体勢を取らないようにする。

重量物の取り扱いを自動化・省力化する

腰に負担のかかるような重たい荷物の取り扱いは、1人でおこなわせるべきではありません。可能であれば、重量物の取り扱いを自動化・省力化し、身体への負担を軽減させましょう。

輸送品質.COM厳選 腰痛対策製品

ダンディレベラー

ダンディレベラー(最大積載量500kg)
見た目はただの台車のようですが、『ダンディレベラー』は作業時のかがむ姿勢を軽減させることができる、腰痛対策のためにつくられた逸品。

荷物を載せれば台が下がり、荷物を取れば台が上がり、常に作業しやすい位置に荷物をキープしてくれます。かがまなくとも、常に腰の高さにアシストしてくれるから、重いダンボールを棚に移動させるときなどに便利です。レベラーとしてだけでなく、もちろん台車としても使用できます。

バネ式だから、メンテナンスフリー。荷重調整は、工具なしで設定できます。また、ハンドルは人口工学に基づいてデザインされたもの。片手でも操作しやすいように窪みがあり、重い荷物を旋回しやすいようにフレームよりも少し大きめに設計されています。

このハンドルのデザイナーは、ユニバーサルデザインを得意とする中川 聰氏。デザインに科学の視点を取り入れるというユニークなデザイン会社・トライポッドデザインの代表であり、過去には東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻特任教授を務めていた方です。

タイプは、最大荷重に応じて3種類あります。
■最大荷重500kg 140,000(税込154,000)円
■最大荷重250kg 110,000(税込121,000)円
■最大荷重150kg 90,500(税込99,550)円

ショルダードリー

shoulderdolly

アメリカで人間工学に基づいて開発された『ショルダードリー』は、装着するだけで重たいもの、大きなものを、たった2人で、安全・簡単に運ぶことができるハーネス。ショルダードリーを装着すれば、荷物の重さを2人の肩に均等に分散させることができ、空いた両手で荷物をしっかり支えることができます。

「装着が複雑そう…」と思われるかもしれませんが、ハーネスを背負ってベルトを前でカチッと止めるだけ、ととてもかんたん。あらゆる体型にフィットするデザインだから、年齢・男女問わずに使用できます。腰・腕・背中への負担を軽減できるように設計されており、しかもコンパクトだから持ち運びにも便利です。冷蔵庫やベッド、ソファーを運ぶ際など、一般家庭でも使用されています。

『ショルダードリー』
■推奨最大耐荷重:363kg
■製品重量:1.5kg
■価格:7,000(税込7,700)円

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サポートジャケット® Ep+ROBO

自動化といえば、最近話題なのがアシストスーツ。装着するだけで重量物の持ち上げ作業時などにかかる腰への負担を軽減できます。農業や介護、製造業など、多くの業界で注目をあつめています。

サポートジャケット® Ep+ROBO
輸送品質.COMで扱っているのは、パレットでおなじみのユーピーアール株式会社さんが開発した『サポートジャケット® Ep+ROBO』。「動力付きアシストスーツは高くて重い」という課題を克服した、期待の逸品です。『サポートジャケット® Ep+ROBO』はモーター搭載モデルで、わずか3.4kgとモーター搭載アシストスーツでは最軽量クラス。「上げ下げの動き」「斜めの移動」「前傾姿勢」など、あらゆる作業姿勢に自動で対応。2つのモーターがフルパワーでサポートします。装着時にもできる限り重さを感じないように設計されており、女性やシニアでもかんたんに扱えるところも魅力です。

■価格 :600,000(税込660,000)円


輸送品質.COMでは、『サポートジャケット® Ep+ROBO』だけではなく、無動力タイプでより低価格のアシストスーツも販売していますので、気になる方はこちらもチェックしてみてください。

『サポートジャケット® Bb+FIT SLIM』 ■価格 31,000(税込34,100)円
『サポートジャケット® Bb+FIT WIDE』 ■価格 34,000(税込37,400)円
『サポートジャケット® Bb+PROⅢ』 ■価格 45,000(税込49,500)円

どんな仕事も、やっぱり身体が資本。仕事が終わった後のケアも大切ですが、仕事中から、腰への負担を見直してみませんか?

<text/ひろの design/川戸口めぐみ>