ショックウォッチの発送で私たちが工夫している4つのこと

2024 1/29
ショックウォッチの発送で私たちが工夫している4つのこと

衝撃を検知すると、中央部分が赤く変化して衝撃を受けたことを知らせてくれる、衝撃検知ラベル・ショックウォッチ。

便利なツールではありますが、私たちがお客様のもとにショックウォッチを発送するときにも赤変させないように気を使わなければならないという、ちょっぴりやっかいな製品でもあるんです。

目次

そもそもショックウォッチって、どんな仕組みになっているの?

ここであらためて、ショックウォッチの仕組みをご紹介しましょう。

ショックウォッチ中央のチューブ部分を分解すると、約2cmの小さな試験管のようなガラスが出てきます。

使用前のショックウォッチは、片側に赤色の液体(主成分は水とアルコール、染料)、もう一方には白色の拡散剤が入っており(写真上)、赤色の液体は表面張力で片側にとどまっています。通常、チューブ部分は白色の拡散剤の部分だけが見えるようになっています。

表面張力とは、分子同士が引っ張り合い、表面積を小さくしようとする性質のことです。
コップいっぱいに水を入れ、さらに少しずつ水を注いでも、水はコップからこぼれずに盛り上がった状態になります。この水分子が引き合う力が表面張力です。

ほかにも、私たちはさまざまなシーンで日常的に表面張力を目にしています。たとえば、サラダのドレッシングは水分と油分で分離していますよね。これも表面張力による現象のひとつです。ドレッシングをかき混ぜるには、よく振ること。振動・衝撃を与えることで一時的に表面張力を弱めることができます。

同じようにショックウォッチも一定以上の衝撃を与えると表面張力が弱まり、赤い液体が拡散剤へと広がります(写真下)。拡散剤はいったん赤くなると、元に戻すことはできません。「衝撃で中のカプセルが壊れて赤くなる」「化学反応で赤く変化している」といった誤解をされている方もいるようですが、そんなに複雑な構造ではなく、表面張力を利用した、いたってシンプルなつくりです。

ちなみに、ショックウォッチは反応G値の違いによって5色に分けられますが、これは実はこの小さな試験管の大きさの違いなんです。最も感度が高強いのは黄色ラベルの「L-65」で、いちばん太いサイズのものを使用しています。

試しに20cmの高さから、ショックウォッチを貼った段ボール箱を落としてみます。
ダンボール箱の自重は、500g程度。外箱にはいちばん感度の高い黄色ラベルの「L-65」を貼っています。

落とした結果、中央のチューブが赤く変化しました。

宅配便での通常の荷扱いなら、ほぼ確実に赤変すると思います(ダンボールの落下位置、床の素材などの条件によって結果は異なる可能性があります)。黄色ラベルの「L-65」を貼った段ボールを移動させるときには、地面に着くまで手を離さないくらい、丁寧でこまやかな荷扱いが求められます。

ショックウォッチを発送するためだけに誕生した特注段ボール箱

 

繊細なショックウォッチをお客様のもとに安全にお届けするにはどうしたらよいのか? 何度も試行錯誤を重ね、完成したのがこの特注ダンボール箱です。

その1 ショックウォッチが貼ってあることがひと目でわかる外箱の印字

ショックウォッチが貼ってあることを物流会社に知らせるのはもちろん、お客様へのショックウォッチ赤変時の対応を簡潔にまとめて外箱に印字しています。“簡潔に”というのがポイントで、確実に読んでもらえるように文字量が多すぎないように配慮し、「なにをどうしてほしいのか」について記載しています。

 

その2 絶妙な遊びをつくって衝撃から守るオーダーメイドの緩衝材

段ボールの中に入れる緩衝材は、以前はスポンジタイプを使用していましたが、ゴミが多くなってしまうため、環境に配慮してフィルムタイプを採用。保存時にかさばらないというメリットもあります。使用しているのは、輸送品質.COMでも販売している『インスタパック』のメーカー・シールドエアー社の『コービュー』という製品です。弾力があり、滑りにくいフィルムで上下から挟み込み、宙に浮かせた状態で衝撃からショックウォッチを守ってくれます。ダンボールぴったりのサイズではなく、少しだけ“遊び”をつくって緩衝しています。

 

その3 落下リスクを考えた40×40×40cmというダンボールのサイズ

箱をご覧になればおわかりの通り、ショックウォッチ自体は約10cm角のシールなので、とても小さい製品です。でも、小さなダンボールに入れてしまったら、輸送の際にほかの貨物と一緒に積み上げて持ち運ばれる可能性が高い為、落下のリスクが高まります。
そこで、人間が1人で1個だけしか運べないサイズにこだわってこの大きさにしています。

 

その4 ショックウォッチのことを理解してくれる物流会社とのお付き合い

ショックウォッチを送る前には品質検査をして、チューブが赤くなっていないかなどを確認したうえでお送りしています。万が一、お客様のお手元に届いたときに赤変していた場合は、輸送時に衝撃を受けたことになります。責任の所在が明確なので、はじめのころはとある物流会社さんに煙たがられたこともありました。

いま配送をお願いしているのは、専門性の高い貨物の取り扱いが得意なプラスカーゴサービスさん。一般の宅配便だと、二次店、三次店とまったく別の物流会社さんが入っていることが多く、荷扱いレベルがバラバラになりがちです。その点プラスカーゴサービスさんはほとんどが自社配送で輸送品質が安定しています。さらに運送保険もかけているので、最後まで責任を持って運んでくれます。

ショックウォッチの発送方法については、かれこれ10年以上も前から改良を重ねつつ、やっと現在の形に落ち着きました。ショックウォッチご注文時はもちろん、『ショックウォッチ 無料サンプル実験キット』をお送りするときにも、このショックウォッチ専用特注ダンボール箱に入れてお届けします。

どれくらいの衝撃で赤色に変化するのか、ぜひ実際にショックウォッチを触って試してみてくださいね!

皆様が大切なものを運ぶ際の参考にして頂ければ幸いです。

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