輸送用データロガーの選び方|通信方式・形状・計測項目別に徹底解説 輸送用データロガーの選び方|通信方式・形状・計測項目別に徹底解説│輸送品質.COM

輸送用データロガーの選び方|通信方式・形状・計測項目別に徹底解説

2026 4/13
輸送用データロガーの選び方|通信方式・形状・計測項目別に徹底解説
ウォッチロガーの機種一覧と用途別の選び方を示したイメージ

輸送用データロガーの選び方|通信方式・形状・計測項目別に徹底解説

創業90年を超える国内メーカーが、品質にとことんこだわって開発された『ウォッチロガー』。輸送品質.COMで販売しているデータロガーのなかでも、物流・輸送に特化したロガーとしておすすめしています。そのラインナップは、20種類以上!

「自分にはどのタイプがベストなのだろう?」「いっぱいありすぎて製品を選べない…」とお悩みの方も多いのでは? そこで、選び方のポイントをメーカー・藤田電機製作所の齊藤 顕久さんにお伺いしました。

ウォッチロガーの選び方について解説する藤田電機製作所の担当者へのインタビュー風景

本記事は「ウォッチロガーの選び方」に特化していますが、そもそも輸送中の衝撃管理や品質管理の考え方を体系的に理解したい方は、以下の記事をご覧ください。

通信タイプで選ぶ

「基本として、通信タイプから選んでいただくのがよいかと思います。

ウォッチロガーで取得したデータをパソコンで読み取るには、機種によって2種類の方法があります。ひとつめは、USBケーブルで接続するUSBタイプ。もうひとつは、専用リーダー(読み取り機)にかざして通信するNFCタイプです。

USB通信は、プリンタやデジカメを接続するときに使っている方が多く、データロガーが初めてという方でも抵抗なく取り入れられると思います。

一方NFC通信は、本体とは別にリーダーが必要になりますが、管理する拠点が同じなら、リーダーは1台で済みます。複数台ロガーを使用する場合なら、本体価格が安いNFCタイプのほうが、コストが安くなります。

物流関係ですと、NFCタイプがおすすめです。NFC通信タイプはIP67と防塵・防水性能が高く、粉塵はシャットアウト、水に濡れても動作環境に影響は出ないというレベルです。一方、USBタイプはIP54と、ホコリが舞う環境くらいであれば問題ありませんが、差込口がある都合で、水に濡れてしまうとアウト。船のコンテナ輸送や冷蔵庫の温度管理なら、NFCタイプがよいでしょう」

■USBタイプ

  • リーダー(読み込み機)が必要なく、機器ひとつで済ませられる。
  • 水没やほこりの心配がないところで使う。

■NFCタイプ

  • ウォッチロガーを複数台使用する予定がある。
  • 水やほこりに強く、冷蔵庫や冷凍庫の温度管理、船のコンテナ輸送などにおすすめ。

でも、少し心配なのが記録容量。NFCタイプはほとんどの機種で各項目16,000件と、USBタイプの各32,000件に比べると、半分というところが気になります。

「そうですね、数値だけ見ると倍も違う!と思うかもしれません。

しかし、実際の使用シーンを想定してみてください。温度・湿度ロガーの場合、記録間隔は5~30分くらいの間で設定することが多いです。NFCタイプの場合、たとえば10分単位で記録するように設定すると約111日、USBタイプの場合は約222日間記録できます。

ロガーは、記録を取って検証するものですので、100日以上もほったらかすことはまずありません。海外輸送でも、長くて3か月くらい。ほとんどのケースで、16,000件という記録容量で十分だと思います」

衝撃ロガーを選ぶときに知っておきたいこと

温度・湿度のほかに”衝撃”を測定することができるのが、ウォッチロガーの大きな特徴。「荷物にかかる衝撃を測定したい」という理由で、ウォッチロガーを検討している方も多いと思います。

ウォッチロガーの”衝撃”項目の記録容量は、XYZ各軸16,000件。初めて衝撃ロガーを使う方は、これが多いのか少ないのか、自分が使用するときに十分な容量なのか、よくわからないですよね。

ウォッチロガーは、衝撃を受けると記録するリアルタイム方式ですが、16,000件というデータ容量がいっぱいになってしまうこともあるのでは? そんな疑問を齊藤さんにぶつけてみました。

「ロガーを設定するとき、”しきい値”と”上限値”を自分で決めることができます。ここでいうしきい値は”データを記録し始める値”のことで、たとえば15Gと設定したら、15G未満の衝撃は記録されません。上限値は、”これ以上の衝撃は危険”と判断する値であり、取得したデータに上限値を超える数値が出ると、自動レポートに赤丸で表示されます。

よくお客様からご相談いただくのですが、『まったくデータが取れていない』という場合は、しきい値が高すぎており、逆に『データがすぐにいっぱいになってしまう』なら、しきい値が低すぎるという可能性が高いです。

これらの設定を決めるには、事前に『測りたいものがどのくらいの衝撃でダメになってしまうのか』をテストする必要があり、この設定が重要になります。何度かテストをしてデータを集めて、自社の輸送環境に最適な値を決めていただければと思います。ウォッチロガーの3週間無料レンタルもおこなっておりますので、使い勝手をぜひ試してみてください。

高価で大きな半導体設備といった気軽にテストができないものは、取り付け個数を増やし、しきい値を変えて運用するのがよいかと思います」

ウォッチロガー形状別・おすすめ業界

スティック型・カード型・ミニ型・大型表示タイプなどウォッチロガーの形状比較
右上がスティックタイプ(緑色がUSB通信・ピンクがNFC通信)、上中央がカードタイプ、左上がミニタイプ、下は大型表示タイプ

ウォッチロガーは、衝撃はスティックタイプのみですが、温度・湿度はスティックタイプ、カードタイプ、ミニタイプ、大型表示タイプ、マルチタイプの5種類もあります。どう選んだらよいのでしょうか?

「電池寿命が約3年と長く、ランニングコストがかからないスティックタイプがおすすめです。データロガーをいくつも使われる方は、電池代だけでもバカにできませんからね。

物流関係なら、スティックタイプのほかに、薄くて場所を選ばないカードタイプもいいと思います。大型表示や温湿度を両方表示できるマルチタイプは、データを取るだけではなく表示計としてもお使いいただけるので、倉庫での温湿度管理に。ミニタイプは、価格が最も安く、導入時のコストを抑えられるので、あまりお金をかけずに温度・湿度の記録を始めたいという方に向いています」

自分の目的に合ったロガーがわからない…という方はぜひご相談を。輸送品質.COMでは、メーカーさんと協力しながら、あなたにぴったりのロガーを探すお手伝いをさせていただきます。

ウォッチロガーを製造する藤田電機製作所 伊勢原事業所の外観

取材先 藤田電機製作所 伊勢原事業所

昭和4年創業の電機機器メーカー。長年培ってきた精密加工・組立加工技術をいかし、電気計測器・データロガー・光学機器部品などの製造を中心に、設計はもちろん部品加工から組立までを自社でおこなう一貫生産に取り組む。

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監修者:輸送品質.COM 森松産業株式会社

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