ほかのロガーとは違う! 物流分野に特化した『ウォッチロガー』の魅力

2024 2/02
ほかのロガーとは違う! 物流分野に特化した『ウォッチロガー』の魅力
ウォッチロガーの特長

データを確実に記録できる『ウォッチロガー』は、輸送品質.COMでも人気のデータロガーのひとつ。今年初めには、新型コロナウイルス用ワクチンを保管する超低温冷凍庫用データロガーとして、政府から採用されました。

幅広い分野で採用実績のあるウォッチロガーは、どのようなきっかけで誕生したのでしょうか? メーカーの藤田電機製作所の斎藤 顕久さんに、開発のきっかけをお伺いしました。

藤田電機製作所_齊藤さん

「もともとは弊社では、メーターの針といった測定器関連製品の製作をおこなっていました。そこから派生して、データロガーを開発したのは約20年前。現在のモデルが誕生したのは2008年です。

開発当初は、倉庫やトラックで使うことを想定しており、形状にはとくにこだわりました。当時はデータロガーといえば、かさばるのが当然で、たとえば商品が6個入るはずの箱にロガーを取り付けると、1つ商品が入れられなくなってしまう。そういう不便をなくしたいと思ったんです」

ウォッチロガーは、物流のために考えられたとあって、形状のほかにも輸送・物流に特化した強みがたくさんあります。そこで今回は、ウォッチロガーを物流業界にオススメしたいポイントをご紹介します。

目次

海外輸送時の面倒な手続きが必要なし

海外輸送イメージ

コイン電池を採用しているから。煩雑な手続きの必要なく飛行機に載せられます。とくにANA、JAL、FedExの3社からは、航空輸送中における計測を目的としたデータロガーとして登録されているので、RTCAや製品仕様書の提出は不要です。

もちろん、必要に応じて非該当証明書、航空機搭載可能基準 RTCA DO-160D、MSDS(化学物質安全データシート)を発行することも可能です。

水に濡れてもこわれない!

水に強いウォッチロガー

荷物が手を離れたあと、何が起こるかわからない輸送において、気になるのがデータロガーの防水性能。

ウォッチロガーのNFCタイプなら、IP67と防塵・防水性能が高く、粉塵はシャットアウト、水に濡れても動作環境に影響は出ません。一方、USBタイプはコネクタがある関係上、防塵・防水性能はIP54とやや劣り、水に濡れると動作しなくなってしまう恐れがあります。輸送環境に不安があるなら、NFCタイプがおすすめです。

スリムでコンパクトな形状

スリムでコンパクトなウォッチロガーの形

本体が薄くて小さいから、荷物のすき間に入れやすく、輸送の際に邪魔になりません。デザインもスタイリッシュで美しく、グッドデザイン賞を受賞しています。

ちなみに、ウォッチロガーをデザインしたのは、ダルビッシュ投手のグローブのデザイン・ロゴなどを手掛けるアレックス デザインの桑名 大伸さん。それまで測定器というと堅いイメージでしたが、ウォッチロガーは、機械らしさがなくやわらかい印象。景観を損ねないスタイリッシュなデザインのおかげで、美術館や住宅メーカーからも人気があります。

スマホアプリを使えばロガー回収の手間が省ける

スマホでデータ読み取りできるウォッチロガー

工場や倉庫などで日常的に温度を計測する場合、ロガーを回収してからPCに接続しなければいけませんが、ウォッチロガーのNFCタイプなら、アプリを使ってスマホに本体をかざせばデータ取得が可能。いちいち回収してまた元に戻す…といった手間がかからず、時間をグッと短縮できます。ただ、冷蔵庫内や地下などの無線が飛ばない場所ではアプリが使用できないため、注意が必要です。

アプリは現在Androidのみリリースされていますが、iOSアプリも2022年3月ごろにリリース予定だそう。

その他の特徴

トラブルがあってもデータを保存

ほかのデータロガーでは、「電池が外れてしまった」といったトラブル時には、それまでのデータも消えてしまう…というケースがほとんど。ウォッチロガーは一度測定をスタートしたら、新しい測定条件を設定しない限り、半永久的にデータを取得し続ける仕様になっているので、トラブル時でも取得したデータはそのまま利用できます。

ランニングコストが抑えられる

ウォッチロガーのなかでも、スティックタイプは電池寿命が約3年(-80℃の超低温対応KT-155F/EX、および衝撃ロガーを除く)と長く、電池にかかるコストを抑えられます。とくに複数台データロガーを使用する場合は、電池代も大きく変わってくるため、コストを最小限にしたいなら、スティックタイプがおすすめです。

スイッチレス

ウォッチロガー本体にはスイッチがないから、輸送中、何かにぶつかって記録を停止してしまう、知らない人が勝手に触ってしまった…といったリスクを避けられます。また、スイッチレスにしたおかげで、こわれにくく頑丈な構造になっています。

ちなみに、あまり知られていないのですが、一部機種には液晶表示内容を変えるための隠しスイッチが存在します。本体の外ではなく中にボタンがあって、液晶画面の右横を強く押すと切り替えられるようになっており、関係者以外にはわからないよう配慮されています。

メーカー校正サービス

ロガーが正常に動作しているかどうかをチェックする校正は、測定器には欠かせないもの。ウォッチロガーのメーカー校正なら、短納期かつリーズナブルにおこなうことができます。

一例 (温度)
校正条件 -10℃/+20℃/+50℃の3ポイント
校正料金 9,900円(税込)
校正納期 約1.5週間
試験成績書、校正証明書・トレーサビリティ体系図の3点を発行

通常、校正機関では、精度が外れていてもそのままチェックをおこない、戻ってきたときにそれがわかるというのがスタンダードですが、事前に精度が外れていないかどうかを調べるセンサーチェックを無償で実施しています。もし精度外だったとしても、センサーを交換するか、そのまま校正をおこなうか、ユーザーが選択できるように配慮。ロガー運用時のコストをグッと抑えられます。

ウォッチロガーは、物流のためのデータロガー

これらの特徴は、「貨物がどんな環境下におかれるか、すべてを把握することができない」といった物流ならではの問題に対応できるようにと、考えて作られたもの。ウォッチロガーは、まさに物流のためのデータロガーなのです。

形状や測りたい項目など、目的別に選べるように、20種類以上の機種が発売されています。どれもソフトウェア上で簡単にデータ管理ができ、とても便利。ぜひ実際に手に取って、その魅力をお確かめください!